足跡
ドアが開いた瞬間に
「アイス買ってきたぞ…」
とコンビニの袋を差し出すと…

「まじ?やったぁ」

ん?
ドアを開けたのは頭にタオルをかぶって、Tシャツに中学の時のハーフパンツ姿のいかにも風呂上がりです的な姿の千晶だった。

「あれ?あきか。もしかしてさっきの電話もあき?」

「あん。紘兄、これどれ食べていいの?」

そう言って袋の中のアイスを選びながら、一人でリビングに向かっていった。

「お好きな物をどうぞ。てかちかは?」

俺は玄関のドアの鍵をかけながらそう言うと、千晶の後を追ってリビングに向かった。

リビングからは武蔵の吠える甲高い声が聞こえてきた。
武蔵は誰か来ると馬鹿みたいに警戒をして、相手を確認するまで吠え続ける。
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