足跡
「部活は?」

俺は食いながら千晶に尋ねた。

「はぁ?超キツいし!!てか顧問張り切りすぎだし。」

千晶は小学3年生の頃になぜか俺の影響で剣道を始めた。
俺なんかよりも全然才能があり、中学の時には関東大会まで進んだ。

高校は俺たちが卒業した高校に進んで、剣道部に入部した。
本人はあまり気が進まなかったみたいだが、顧問や先輩たちの強引な勧誘で剣道を続けることにした。

「あいつは期待してる奴には厳しいからな。」

「期待とか超迷惑だし!!」

足元にいた武蔵を自分の膝の上に乗せながら答えた。

「あきは才能あるから。秋も大会続くんだろ?」

「♪~」

こいつ鼻歌で答えやがった…


千晶は中学に進んだ頃から急に背が伸びて、今では170近くある。
俺と並ぶとたいして変わらない。
足は完全に千晶の方が長いから俺はなるべく千晶とは並ばないようにしている。

千景も千景の母ちゃんも160もあるかないか位なのに…
父ちゃんが背が高かったからな。


キャンキャンキャンキャン!!

千晶の膝の上にいた武蔵が突然吠えだした。



「武蔵うるさい!!」

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