足跡
風呂から出てきた千景がリビングに入ってきた。
「アイスは?」

「♪~」

千晶が鼻歌を歌いながら冷蔵庫を指差した。

「♪~」

千景も鼻歌を歌いながら冷蔵庫に向かう。


「お前さぁ、確実に風呂入る前にメール送っただろ?」

「えっ?わかっちゃった?」

「わかるよ!!どうせ風呂上がりに食べたかったから連絡したんやろ。」

「ハハッ。ちか姉さすが!!てか紘兄関西弁だし!!」
千晶はテーブルをバシバシと叩きながら笑っている。
俺は会社で石黒といるせいか、たまに関西弁が出てしまう。


千景はアイスを選んで千晶の隣の椅子に座った。
「紘兄ね、今度あのモデルのCM作るんだって!!」

千晶があの例のモデルの話を千景にしている。

「へえ~あの人綺麗だよね。」

千景は完全にアイスの方に夢中になっていて、蓋を開けて食べ始めていた。

「まじうらやましいし!!あきも芸能人に会いたい!!」


♪~

そう言った瞬間、リビングに置いたままだった千晶の携帯が鳴った。

「やっべ!!」


千晶は武蔵を抱えて、慌てて携帯を取りに行き、そのまま部屋に行ってしまった。

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