足跡
例のモデルの一件があってから、10日くらいが過ぎた。
その日は無理言って、早くに帰宅させてもらった。
うちの母ちゃんの52歳誕生日と言うことで、家族4人で食事に行くことになっていたからだ。
会社から出て、途中姉ちゃんと待ち合わせをしてそのままデパートに駆け込んだ。
正直、母ちゃんが欲しいものなんてわかんなかったから、姉ちゃんに合同でプレゼントしないかと話を持ち掛けて、一緒に買うことにした。
姉ちゃんは目星をつけておいてくれたから、すんなりと決まった。
これから秋に向けて使えそうな、ハンドバッグにした。
姉ちゃんとデパートを出て待ち合わせ場所に向かった。
そう言えばこの人と一緒に出掛けるのとかも、久しぶりな気がする。
子どもの頃は千景と3人でよく遊んだのにな。
「あんたさぁ、もう少し綺麗な格好して来なさいよ。」
いきなり怒られた。
人がちょっと思い出に浸っていたというのに…
「いきなりそれかよ…てかこうやって2人で歩くのとか久しぶりじゃね♪?」
俺は少し機嫌をとるようにおどけてみせた。
姉ちゃんは、少しだけ微笑んで
「そうだね~あんた忙しいから。」
とちょっとだけ寂しそうに言った。そして、
「紘さぁ…ちかちゃんとどうなの?」
少しだけドキっとした。
「どうって?至って普通よ。ノーマル。」
「ふ~ん…結婚とかって話に出たりしないの?」
今度はちょっとだけ真剣な表情で聞いてきた。
「結婚?はぁ?だって俺らまだ25よ?それに結婚だったら俺らより姉ちゃんの方が先だろ!!」
姉ちゃんはうるさい!!と一言言った。
この人は彼氏いないこと間違いない。
「てか、あきちゃん!!この前久しぶりに会ってびっくりしちゃったぁ~すごいきれいになってるんだもん。」
彼氏の話題にふれられるのが嫌なのか、今度は突然千晶の話をしてきた。
「あぁ。中身は変わってねえけどな。」
「背もおっきくなってさぁ、紘より高いんじゃない?」
そう言って俺の頭の方に視線をやった。
「かろうじて、まだ俺の方が高いよ!!」
少しだけムキになってしまった。
でも、姉ちゃんとそんなやりとりをしたのは久しぶりでなんだか嬉しかった。
その日は無理言って、早くに帰宅させてもらった。
うちの母ちゃんの52歳誕生日と言うことで、家族4人で食事に行くことになっていたからだ。
会社から出て、途中姉ちゃんと待ち合わせをしてそのままデパートに駆け込んだ。
正直、母ちゃんが欲しいものなんてわかんなかったから、姉ちゃんに合同でプレゼントしないかと話を持ち掛けて、一緒に買うことにした。
姉ちゃんは目星をつけておいてくれたから、すんなりと決まった。
これから秋に向けて使えそうな、ハンドバッグにした。
姉ちゃんとデパートを出て待ち合わせ場所に向かった。
そう言えばこの人と一緒に出掛けるのとかも、久しぶりな気がする。
子どもの頃は千景と3人でよく遊んだのにな。
「あんたさぁ、もう少し綺麗な格好して来なさいよ。」
いきなり怒られた。
人がちょっと思い出に浸っていたというのに…
「いきなりそれかよ…てかこうやって2人で歩くのとか久しぶりじゃね♪?」
俺は少し機嫌をとるようにおどけてみせた。
姉ちゃんは、少しだけ微笑んで
「そうだね~あんた忙しいから。」
とちょっとだけ寂しそうに言った。そして、
「紘さぁ…ちかちゃんとどうなの?」
少しだけドキっとした。
「どうって?至って普通よ。ノーマル。」
「ふ~ん…結婚とかって話に出たりしないの?」
今度はちょっとだけ真剣な表情で聞いてきた。
「結婚?はぁ?だって俺らまだ25よ?それに結婚だったら俺らより姉ちゃんの方が先だろ!!」
姉ちゃんはうるさい!!と一言言った。
この人は彼氏いないこと間違いない。
「てか、あきちゃん!!この前久しぶりに会ってびっくりしちゃったぁ~すごいきれいになってるんだもん。」
彼氏の話題にふれられるのが嫌なのか、今度は突然千晶の話をしてきた。
「あぁ。中身は変わってねえけどな。」
「背もおっきくなってさぁ、紘より高いんじゃない?」
そう言って俺の頭の方に視線をやった。
「かろうじて、まだ俺の方が高いよ!!」
少しだけムキになってしまった。
でも、姉ちゃんとそんなやりとりをしたのは久しぶりでなんだか嬉しかった。