足跡
この頃
母ちゃんの誕生日を祝ってから数日。
また今までと変わらない生活が続いた。
千景とも相変わらず。
8月20日。
今日から千景は一週間の長い夏休みが始まる。
何をするのか尋ねたら、
「ん~決めてない。」
と返ってきた。
と、言っても夏休みだからと言って海外に行くとかビッグイベントがあるわけではなく、母ちゃんの方の実家に行ったり、短大時代の友達と会ったり、会社の同僚と遊びに行くとかいう細かい予定はあるらしい。
俺が羨ましいな、と言うと、
「休みすぎたら仕事に行くのが辛くなる。」
と言った。
千景の夏休み開始から2日目。
俺は運良2連休をもらえた。
しかし、タイミング悪く、千景は母ちゃんの実家の方に帰っていた。と言っても小田原だかそっちの方だけど。
俺は連休初日は久しぶりに昼まで寝て、それからリビングへと降りた。
できればもう少し寝ていたいと思ったが、その年は残暑が厳しくとてもじゃないけど、寝てはいられなかった。
リビングに降りると、親父がなぜか武蔵を抱いてテレビを見ていた。
「母ちゃんは?」
「あぁ、紘か。お早う。お母さんならちかちゃんとこのママと出掛けたよ。」
母ちゃんと千景の母ちゃんはよく二人で出掛ける。
平日に出掛ける時は親父は仕事を休む。
おばさん2人が何をしているかわからないが、まぁ、千景の話だとエステだかネイルサロンだかに行っているらしい。
親父も俺もなるべくそっとしておく。
女が2人の時はその方がいいから。
「で、何で武蔵がいるんだよ。」
俺はテーブルに出ていた、チョコレートのお菓子をつまみながら聞いた。
「聞いてないの?」
親父は少しびっくりしたように聞いてきた。
「何を?」
「ちかちゃんがおばあちゃんの家行ってて…」
「それは知ってる。」
「あきちゃんが合宿で家空けるから、武蔵が可哀相だから預かってくれって。今朝あきちゃんが置いて行ったんだよ。」
「合宿?剣道部こんな時期に合宿なんてしたか?」
「お前の時と違うだろう。あきちゃんは強いから。でっかい荷物抱えて行ったよ。」
「へぇ~」
こんな時期に剣道部の合宿をした記憶はなかったけど、卒業して何年も経ってるしな。
また今までと変わらない生活が続いた。
千景とも相変わらず。
8月20日。
今日から千景は一週間の長い夏休みが始まる。
何をするのか尋ねたら、
「ん~決めてない。」
と返ってきた。
と、言っても夏休みだからと言って海外に行くとかビッグイベントがあるわけではなく、母ちゃんの方の実家に行ったり、短大時代の友達と会ったり、会社の同僚と遊びに行くとかいう細かい予定はあるらしい。
俺が羨ましいな、と言うと、
「休みすぎたら仕事に行くのが辛くなる。」
と言った。
千景の夏休み開始から2日目。
俺は運良2連休をもらえた。
しかし、タイミング悪く、千景は母ちゃんの実家の方に帰っていた。と言っても小田原だかそっちの方だけど。
俺は連休初日は久しぶりに昼まで寝て、それからリビングへと降りた。
できればもう少し寝ていたいと思ったが、その年は残暑が厳しくとてもじゃないけど、寝てはいられなかった。
リビングに降りると、親父がなぜか武蔵を抱いてテレビを見ていた。
「母ちゃんは?」
「あぁ、紘か。お早う。お母さんならちかちゃんとこのママと出掛けたよ。」
母ちゃんと千景の母ちゃんはよく二人で出掛ける。
平日に出掛ける時は親父は仕事を休む。
おばさん2人が何をしているかわからないが、まぁ、千景の話だとエステだかネイルサロンだかに行っているらしい。
親父も俺もなるべくそっとしておく。
女が2人の時はその方がいいから。
「で、何で武蔵がいるんだよ。」
俺はテーブルに出ていた、チョコレートのお菓子をつまみながら聞いた。
「聞いてないの?」
親父は少しびっくりしたように聞いてきた。
「何を?」
「ちかちゃんがおばあちゃんの家行ってて…」
「それは知ってる。」
「あきちゃんが合宿で家空けるから、武蔵が可哀相だから預かってくれって。今朝あきちゃんが置いて行ったんだよ。」
「合宿?剣道部こんな時期に合宿なんてしたか?」
「お前の時と違うだろう。あきちゃんは強いから。でっかい荷物抱えて行ったよ。」
「へぇ~」
こんな時期に剣道部の合宿をした記憶はなかったけど、卒業して何年も経ってるしな。