足跡

“罪悪感”

その日は本当に暑くて、家から出るのがかなり億劫だった。
一日中冷房のきいたリビングで親父と武蔵と過ごした。
親父は
「お母さんたちはよくこんな日に出掛けているな。」
と、やっぱり武蔵に話掛けていた。

俺はこの時、親父の定年退職の際には犬でも贈ろかと思った。


そんな連休初日がゴロゴロと過ぎようとしていた、夕方、珍しく中学の同級生から連絡が入った。
同級生５、６人で集まるから来ないか？と言うものだった。
夕方にもなり、だいぶ涼しくなったし、何よりも久しぶりに同級生と会える嬉しさで俺は迷わず行くことにした。
姉ちゃんはちょうど帰宅し、母ちゃんの代わりに俺らの夕飯の準備をしていた。
しかし、その旨を伝えると
「普段忙しくて行けないんだから行ってきな。じゃなきゃ、友達なくすよ。」
と、余計な一言もあったが、快く送り出してくれた。

俺は朝起きたままの格好だったので、一応顔を洗い、歯を磨いて急いで着替えて家を出た。
駅前の居酒屋に集合ということで、Ｔシャツにハーフパンツ、そしてサンダルというかなりラフなスタイルで集合場所へと向かった。
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