ひだまりの幸せ
「先生。しんどい。帰る。」

これだけ言って帰るつもりだった。

美術室には外からの優しい光りが差し込んで、ふんわり暖かい雰囲気だった。


「中野さんどうしたの?何かあった?」


先生に話すつもりはなかった。けど、その場の雰囲気があまりにも心地よくてつい
「私、振られたわ。あの教室に今日は行きたないから帰らせて」
と、正直に話した。

先生は怒りもせず、追求もせず「わかった。今日だけやで!」
と、早退届けを書いてくれた。

< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop