素直になれたら
episode1.STARS
「いやぁ〜 星キレイ!!」
先に昇降口から出たゆりが空を見上げてそう言った。
「ほらぁ〜」
私も昇降口から出ると、そう振られた。空を見上げると綺麗な星空。
「……うん、まぁね」
私は素っ気ない返事を返した。
「なにそれ〜?無感動〜」
「え…?ああ…別に?」
「…ん〜まぁいっか!美嘉、今日はありがとね」
ゆりはいつもの調子で何気なく言った。
「別にいいよ…暇だし」
そう言う私もいつもの調子だ。
「早く勝希君と仲直り出来るといいね」
「もうあんなヤツゆりの彼氏でも何でもないもん」
「でもちゃんとした“理由”聞いてないんでしょ?なんか事情あったのかもしんないじゃん」
「知らなぁい!!」
そう口を尖らせてるゆりは凄く女の子って感じがする。
「そう言う美嘉は上手く行ってんの〜?」
「さぁね」
「いいよね〜ラヴloveでぇ」
「別にそんなんじゃないけど…」
…そんな風に言葉を交わしながら、夜の通学路の景色を少し眺めて私は溜め息をついた。