素直になれたら
episode1.STARS

「いやぁ〜 星キレイ!!」

先に昇降口から出たゆりが空を見上げてそう言った。


「ほらぁ〜」


私も昇降口から出ると、そう振られた。空を見上げると綺麗な星空。


「……うん、まぁね」


私は素っ気ない返事を返した。

「なにそれ〜?無感動〜」

「え…?ああ…別に?」

「…ん〜まぁいっか!美嘉、今日はありがとね」

ゆりはいつもの調子で何気なく言った。

「別にいいよ…暇だし」

そう言う私もいつもの調子だ。

「早く勝希君と仲直り出来るといいね」


「もうあんなヤツゆりの彼氏でも何でもないもん」

「でもちゃんとした“理由”聞いてないんでしょ?なんか事情あったのかもしんないじゃん」

「知らなぁい!!」

そう口を尖らせてるゆりは凄く女の子って感じがする。

「そう言う美嘉は上手く行ってんの〜?」

「さぁね」

「いいよね〜ラヴloveでぇ」

「別にそんなんじゃないけど…」


…そんな風に言葉を交わしながら、夜の通学路の景色を少し眺めて私は溜め息をついた。
< 1 / 19 >

この作品をシェア

pagetop