君がタメ

そんな悪ふざけをしてたら
いつの間にか花火会場に着いてた


ヒロ:到〜着!
サヤ:到〜着!



やっぱり会場は見渡す限りの人込み


ヒロ:うわっ!すげぇ人の数
サヤ:うわぁ…


サヤは人ゴミが苦手だと言うのは知ってた…
発作が出るのが怖いからだ。


ヒロ:ちょっと会場から離れて
見ようか?


サヤ:ううん。せっかく来たんだし行きたい!



俺にはサヤが少し無理してる事が分かったが
こんな俺を頼ってくれてるんだと思い嬉しかった。


ヒロ:じゃ、行こう!

サヤ:うん。


そして俺はサヤをかばうように
会場へ歩いて行くと

出店の屋台を二人楽しんでいた

その時!



DOoON ! ! !


夏空に碧い火の花びらが散った


サヤ:綺麗…

花火の光りに照らされたサヤの横顔は

白い肌が際だってすごく綺麗だった


この時
俺の中で何かが解けた


躊躇っていた何かがフワッと
解放された


   サ……ヤ………


サヤ:ここ空いてるよ!座ろ!


サヤは力の抜けた
俺を知ってか知らずか 無邪気に手招きしている


俺にはサヤの笑顔を見られるChanceがあるんだ


病気を治したりは出来ないケド
手伝う事は俺にも出来るんじゃないか

やっと気付いた。

俺に出来る事。

俺がしたい事。


ヒロ:おっ…おぅ!すぐ行く!



芝生に座り、俺はしばらく花火なんて見てなかった

楽しそうな笑顔で花火を見つめるサヤを俺は見つめてた。
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