君がタメ
少し歩くと
遠くを見つめ
サヤが立ち止まる

俺はサヤに決心を決め話しを切り出そうとすると

サヤ:私ね…悩む事とか
嫌な事とかある度にここへ来るんだ


サヤ:私って弱いし

病気だし

人付き合いも苦手だし

死にたくなったりするし

駄目な人間なんだ

ヒロ:そんな事ないよ

俺は言葉を選ぶ事に必死過ぎて

ろくな言葉を発せなかった
クソッ!もっとマシな言葉出てこないのかよ!

俺が混乱していたら
サヤはクルッと向きを変えて


サヤ:ごめん…。帰ろ


俺は今が本当のラストチャンスだと自分に言い聞かせ

歩いて行こうとするサヤを引き止めた。

ヒロ:サヤっ!

ビックリした表情で振り向くサヤ


いくつになっても告白には勇気がいる

真剣ならば真剣な程
それに比例した勇気が


ヒロ:あのさ…俺


サヤが好きになっちゃったんだ!

付き合って欲しい。

サヤ:えっ…
戸惑うサヤ


サヤ:でも私病気だし…

だって迷惑かけちゃ…
ヒロ:サヤの事、全部知りたいから!

ヒロ:俺、サヤのこともっと知りたい。

病気だって一人で悩むよりも
二人で治そうよ。
絶対治るし大丈夫。


サヤ:あ…考えさせて…


歩き出すサヤ

俺はサヤの目の前に回り込み手を差し延べる


すると…

『ギュッ』


サヤの小さな手が
俺の手と絡まる


胸が熱くなる


ヒロ:サヤ、返事は急がなくていいから…


サヤ:うん。

サヤが恥ずかしそうにうつむく


そして車に乗り込みサヤの家まで送る


サヤの家に着くと時刻はAM3:30

ヒロ:遅くなっちゃったね

サヤ:今日はありがとう。
嬉しかった。

ヒロ:サヤに伝える事が
出来て
本当によかった。

それじゃ…って別れの時

サヤは俺に優しいキスをした

これって…

ニッコリ笑ったサヤは
またねと言うと足早に家に入ってしまった。

俺は嬉しくて帰りの車内で
俺とサヤの好きな
アーティストの
歌を歌いながら

俺達の始まりを実感していた
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