君がタメ
正直、この時かなりキツそうだって事はわかってた。でも、
サヤは、病気のせいで自由が拘束されるのをとても嫌っているから

無理をしてでも、来たいんだろう…
と思い素直に出発する事にした。

川へ向かう車内では
サヤの悩みについて話していた。

例えば、仕事がキツくて辞めたいとか、

通院費と薬代でお金が無いとか

カウンセリングの先生が嫌いだとか

家族が嫌いだとか…

とにかく同じ話しを何度も話していた。

多分…サヤは俺に何故苦しんでいるのかを知って欲しかったんだろう

サヤに纏わり付いた苦痛の鎖を
解く糸口を俺に見つけて欲しかったんだろう


話しを聞いていると一つ一つの
問題は俺から言わせれば、クリアできない程の問題では無かった、

でもサヤにとっては大きな障害で一人では先に進めないと…

何を考えてても結局
最初の問題に戻ってきてしまう…

そんな話しを聞かせてくれたので
俺は、以前調べた鬱病の資料の話しを切り出した。

ヒロ:鬱病は治る病なんだって
でも治るには身近にいる人の協力が必要なんだって…
しかし、

サヤ:私の事は調べなくていいよ!

珍しく強い口調だ

ヒロ:エッ!? 何で?

サヤ:ゴメンでもヒロ君が……病気になっちゃう。

サヤの事で俺が同じように悩んでいたら俺まで病気になってしまう…と言う事なんだろう

ヒロ:俺なら大丈夫だよ!
生き方が天真爛漫だしさ
悩みがあんまりないから
悩みができて嬉しいよ!
…とおどけて見せた

サヤ:…
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