君がタメ
黙ってしまったサヤに
周りの景色がコンクリートから緑茂る山道に入った事を伝える

サヤ:窓開けていい?

ヒロ:どうぞ。

パワーウインドウを下げると

いわゆるマイナスイオンなんだろうか

心地いい空気が車内を駆け巡る

サヤ:気持ちいいねぇ!

外から入る風がサヤの髪を持ち上げる

俺は急に今日の目的を思いだし

ヒロ:サヤ!そういえば返事まだちゃんと聞いてないよね?

サヤ:え?何?

風の音で掻き消され…

ヒロ:なんでもなーい。
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