この手でどうか…



この世界の神様は人間が大嫌いで、全ての人間に呪いを授けた。

その呪いは神様がきまぐれを起こした時であったり、

虚弱体質だったりした時に発動される。つまりは呪いが発動しないままその生涯を終える者も多い。

しかし運悪く発動したら最後、一年以内に死が訪れる。

前触れもなく突然影が消え、一日で三ヶ月の寿命が奪われる。

たまに高熱にうなされる事もあるが、それ以外は無害である。だが余命が三ヶ月の人間は即死となってしまう。

またどんなに寿命が長くても、一年で奪われる寿命は約九十一年。安心は出来ない。

呪いは医者には解く事は出来ず、その呪いを解く事が出来るのは“解放者”と呼ばれる者のみ。

彼らは呪いを取り除く手を持っている。

自身が少しは退屈しないように、と同じ神様が一部の人間に与えた能力である。
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