奴のとなり



彼は一言二言吐き出すと、
階段を下りてきた。



彼女は



「死ね!!」



と吐き捨てて校舎に戻っていく。



「死ぬの?」



「はっ、死なねぇよ」



短く、
息を吐き出すように笑った。



いや、
笑ったかもわからないけど、
そんな気がした。



こいつ・・・笑うんだ。



不思議な感じがする。



普段笑わない奴が笑うと新鮮で、貴重で、
だからこそ価値があるのかもしれない。



その笑顔見たさに頑張っちゃうのかもしれない。



なるほど・・・魅力の一つって訳か。



「彼女行っちゃったよ?」



「お前・・・彼女にしろとか言うくせに
そんなこと言うわけ。
それに彼女じゃねぇし」






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