奴のとなり
それでも退屈で、
気づけばあたしは
「どこがいいの?」
なんて口に出していた。
彼女達は一斉に
訳が分からないといった顔をしていて、
あたしは安心してしまった。
主語を省いてみた。
今まであたしの周りに現れた人間は
主語がお好きではないようだから。
でも彼女達は分からないようで、
あたしと同じ人種だと安心したと同時に
親近感が湧いてき始めた。
「一樹桃矢って何であんなにモテるの?」
この言葉に彼女達はすぐ反応した。