奴のとなり
「分からないまま傍にはいられない。
無理なんだからね」
「わかった話すから、ちょっと待て。
無理とか簡単に言うな」
「じゃあ簡単に言わせないで」
相変わらず不機嫌そうだけど、
話す気にはなったみたい。
あたしは自分の親を見てきたから、
だからこそ同じようにはなれない。
そんな関係ならいらない。
「話す気になったら呼んで」
そういい残すと、
ナナミさんのいるカウンターに向かった。
返事は聞かなくてもわかった。