奴のとなり
「まいどーーー!!」
ばんっと壊れそうな音をたてて、
木の扉は痛々しく開く。
誰が来たかなんて、
みんなっていっても3人だけど、わかってる。
ケイちゃんだ。
彼はヒーローのように颯爽と現れて・・・。
とは言えない、かなり見苦しい形で現れた。
両手に鞄とコートを抱えて、少し息が切れてる。
そうだよね、あたし達の荷物だよね。
だけど、
どの格好じゃんけんで負けた子が
荷物持たされてるみたいで、ちょっと笑える・・・。
声を押し殺して笑ってるのに、
すっかりバレてて、荷物で頭を叩かれた。