奴のとなり
「いひゃい」
「調子乗ってごめんなさい」
素直に返ってくる謝罪の言葉を
不審に思いながら、
顔を上げるとケイちゃんが
小動物みたいに脅えてて、頬っぺたが赤い。
隣を見ると、
奴は素知らぬ顔で腕を組んでて変わりない。
ケイちゃんは
荷物をテーブルの上にどさっと置くと、
奴の隣に腰掛ける。
そして目の前にあった、
あたしのジュースの氷を頬張った。
と同時に奴の鋭い眼光がケイちゃんを射抜く。