奴のとなり

3.林檎は好きです




落ち着いた音楽、
それを包む温かい空気。



カランカランと心地よい、
何かが崩れる音が聴こえる。



明るい笑い声、低い声が静かに響いてる。



なんて心地いい空間にいるんだろ。



一人で過ごす家なんかよりずっといい。



視界は真っ暗。



きっとあたしは
泣きつかれて眠ってしまったんだと思う。



いつの間にか眠ってしまったのに、
体は冷えることなく温かい。



ナナミさんが毛布でも掛けてくれたのかも。



でも意識が覚醒し始めてるからか、
周囲の音ははっきりと聴こえる。










< 174 / 555 >

この作品をシェア

pagetop