奴のとなり



もやもやしていると、
ふと髪を撫でる気配。



誰かなんてわかってる。



壊れ物を扱うように優しく撫でるもんだから、
不覚にも泣きそうになった。



折角、涙止まったのに。



いつもそんな風に触れてくれればいいのに。



いつもそんな風に接してくれればいいのに。



人が眠ってる時だけ優しいなんて、
やっぱり可愛くない奴だ。



猫にでもなったように、気持ちよく撫でられる。










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