奴のとなり



「おい、たぬき」



狸寝入りがバレた・・・。



もしかして奴は
あたしが狸だってことを知りながら撫でたのか?



途中で気づいたのか?



疑いの目を奴に向けると、
奴は口の端を少し上げて妖艶な笑みを見せた。



それが何でか悔しくて、横腹にパンチ。



「うっ」



油断しきっていたのか、結構入ってしまった。



これも可愛い乙女の恥らい隠しだ。









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