奴のとなり
それよりも、
あたしは大きな温かい手が欲しい。
奴に駆け寄り、あたしは頭を差し出す。
奴は怪訝な顔をして、
差し出された頭を見て何かを考えてる。
そうそう、撫でて。
あんたに撫でられるの、癖になりそうなんだもん。
あたしは胸を高鳴らせながら待った。
あのドキドキが欲しい。
なのに、空気読めないキングはあたしの頭を叩いた。
違うよーー!!
そんな暴力は求めてないっつーの。
恨めしげに見上げると、奴は不思議そうな顔をしている。