奴のとなり



会話の真ん中で、
いちいち「何で?」「どうして?」
って聞きたくなることは積もりに積もったけど、
聞かずに読まなくちゃいけないらしい。



あたしゃエスパーじゃねぇよ!



自分がちょっと読めるからって、
いい気になんじゃねぇ。



心の中で毒づくと、
何故か振り向かれた。



奴はあたしが吐いた悪口を
感じ取ったのかもしれない。



だって、顔が鬼だった。









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