奴のとなり
固執してる訳でも、
こだわってる訳でも、
プライドとかでもない。
ただ、奴の隣にいたいと思うだけ。
ちょっと先の未来を想像してみても、
奴が当たり前の様にいる。
その未来を嬉しいと思う。
「桜、何があった?
アイツなら話せて、俺はダメなのかよ」
言ってることが分からなくなり始めていた。
最初は丁寧だったけど、
段々いつもの話し方に戻ってるよ。
それが奴らしくて、ちょっぴり笑える。
「いつになったら話せるんだ?」
「・・・」
「今日は帰る」
靴音が遠くなっていく音が聴こえる。
どのくらいここにいたのかは覚えてない。
1時間にも、2時間にも感じたけど、
実際はもっと短いのかもしれない。
やっとの思いで部屋に戻り、
昨日の服を着替えて、制服に手を通した。