奴のとなり



図書室に入ると、
懐かしい匂いがした。



古い本と、温かい空気。



少し埃っぽいのも好き。



あたしは定位置の
窓際の席に向かうべく、
数冊の本を抱えて向かった。



窓際は暖かくて、
電気要らずで心地いい。



ここを曲がれば、
お気に入りの場所。



ってところで、
あたしは足を止めた。



とても耳に馴染んだ声が
聴こえてきたから。










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