奴のとなり
「何してんの?」
ケイちゃんはぎくりとした顔をして、
「らーめんが恋人じゃい」
って意味不明なことを言う。
見栄?
男のプライドってやつらしい。
前にも上がった部屋に通されて、着替えをもらう。
ケイちゃんの服らしくて、グレーのスウェット。
「わっ大きい・・・」
同じくらいの背丈とはいえ、
ケイちゃんはやっぱり男の子で、
ぶかぶかだ。
「ちっ」
舌打ちが聴こえたけど知らん振り。
こっそり見てみたら、
眉間にぐわっと皺が刻まれてて、
不機嫌そうにお茶を飲んでる。
正座して、奴の正面に座る。
あの日と同じ。
ただ少し違うのは雰囲気かも。