奴のとなり
奴は
いつの間にかあたしを見てて、
あたしは目が合うと直ぐに逸らした。
なんか居た堪れない。
奴はテーブルに肘をつくと、
真剣な目をあたしに向けた。
「おまえに聞きたいことも
言いたいことも山ほどある・・・」
とっても怖い話の切り出し方だな・・・おい。
「・・・はぁ」
「で、話す気になったのかよ」
「へっ!?」
間抜けな声を出すと睨まれた。
なんだよ・・・
また喧嘩売ってきたのか?
買ってやろうか?
睨み返してると、
さらに睨まれて笑ってみた。
奴は溜息を吐くと、
「気は長くない。
だから無理やりでも吐かせるぞ」
って本気で凄まれた。
奴なりにすっごく我慢してるらしい。
このまま行くと、
あたしはボコられるらしい。
奴はあたしを睨み続けてる。