奴のとなり
「一樹が鼻で歌唄うって!!
見たか!?
さくちゃん、
これヤバイで!!」
ハイテンション過ぎて、
何を伝えたいのか分からない。
それでも
ケイちゃんは興奮しっぱなしで、
チワワが
きゃんきゃん吠えてるみたいで可愛い。
頭を撫でると、
ケイちゃんは段々落ち着いてきて、
恥ずかしそうに腰を下ろした。
撫でられてることをやっと知ったのか、
ケイちゃんはあたしの手をぱっと払うと、
「犬ちゃうわ」
と恥ずかしそうに俯いた。
「つい興奮してもぉた」
ぽりぽりと頭を掻くと、
「ほんま、
こいつとは長い付き合いやけど、
気味悪いことばっかり続くもんやな」
と横目で奴を見る。