奴のとなり
両方の頬を奴の両手に挟まれて、
あたしの口はやっと閉じることが出来た。
極度の緊張と、
奴に最後的な何かを言われるのを恐れたあたしは、
ひたすら話し続けてた。
奴との距離が近い。
奴の少し長めの前髪が
綺麗な切れ長の目にかかる。
あぁ、何か雰囲気が違うと思ったら、
今日は髪形が違う。
いつもは無造作に整えられてるけど、
今日は下ろしてて、落ち着いた髪型。
きっと、
奴の家用のスタイルなんだと思う。
きっと何も触られてない髪型のはずなのに、
それでもセットされてるみたいに見えるから不思議。