奴のとなり
「うん、これでさっきよりまし」
「何がだよ」
「こっちの話」
それ以上問うことなく、
前に視線を戻した。
「なんで、そんなに怒ってたの?」
まず気になることはこれだ。
あとは、ケイちゃんって誰なのか。
今のところはそれぐらい。
「あのケイちゃんと関係あるの?」
彼の名前を出した途端、
眉間の皺の深さは今までに見たことないほど深くなる。
えっ!?
地雷だった?
話せば話すほど深みにはまる気がするんだけど・・・。
そう思っては見て、もう遅い。