奴のとなり
「ねぇ」
「ん」
「なんか、心臓が変でもちそうにない」
「はっ」
あたしが心臓が痛いって言ってるのに、
奴は短い笑い声を漏らしただけだった。
なんか、その余裕ぶりがムカつく。
あたしなんて、
こんなに人とくっつこと自体初めてで、
体もなんか変だし。
さっきから心臓がおかしいもん。
だから言ったのに。
だから聞いたのに。
奴を睨むと、
「こわい、こわい」
とからかわれた。
睨んでたのバレてた。