奴のとなり



また、痩せた。



まず、そう思った。



「おそよう。ご飯そこにあるから」



「うん」



茶色い髪を後ろで束ねたいつものスタイル。



またテレビを見始めたと思ったら、お母さんはまた振り返り、


「あんた彼氏できた?」


と、意地悪な笑みを見せる。



「ぼえっ!?」



不意打ちで、何の脈絡もない話が飛び出してきて、思わず変な声が出た。



「ははっ!!まじでか!!」



がははっと楽しそうに手を叩いて笑う。



変な声出しただけでバレた。



さすが、母親。











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