奴のとなり



それから、彼女は考え込むように手を組むと、


「まだだから、これから?いや、それほど大事って・・・」


とぶつぶつ言い始めて、あたしはどうしていいか分からなかった。



だから、運ばれてきたホットケーキを摘まんでた。



キサラギさんが、あたしと奴のことを聞いてどうしたいのかなんて分からない。



けど、隠すようなことでもないし、あたしは素直に首を振っていた。



彼女は机を軽く叩くと、真剣な目であたしを見据えた。



そして、


「一条さん!!一樹とそうなりたくない訳じゃないんだよね?そこはどうなの?」



と真剣な目の癖に、変なことを聞いてくる。



なんか恥ずかしいを通り越して、面白い。










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