奴のとなり
家に帰れば少しは蓄えもあるし、学校が一緒ならまた学校で返す。
そうキサラギさんに伝えた。
そういえばさっきから、あたしのことを応援してくれる風だけど、彼女は自分のための作戦でもあるって言ってた。
どういうことなんだろう。
最初は、キサラギさんも奴のことが好きなんじゃって思ったけど、それならあたしと奴がそうなることを応援するって意味がわかんない。
なら何で?
不思議に思いながらも、あたしは口を開けずにいた。
彼女は荷物を持つと、あたしの手を引きながら、お店を後にした。
それから行き先も言わずに歩き続けてる。
数分歩いて、彼女の足は止まる。