奴のとなり
車の中で、いっぱいのことを話した。
サツキさんの話は楽しいのと為になるのとで、飽きることなく、時間はあっという間に過ぎた。
家まで送ってもらうと、
「じゃあ、彼氏ちゃんによろしくね!惚れ直してもらえるわよー。また連絡ちょうだいね!」
と、颯爽と去って行った。
あたしの中にまた、好きな人間が増えた。
今までお化粧とかには無頓着だったから、これからはサツキさんに習うのもいいかも。
なんて思いながら、車でにまにまする。
サツキさんってお姉さんみたいだな。
って、ちょっと失礼なことを思ってて、思わず口に出してて、サツキさんはきゃあきゃあ言いながら喜んでくれた。
姉妹がいないから、あたしはとっても嬉しくなって、サツキさんに抱きついてた。
・・・、運転中だけど。
抱きついてみて、男の人だったって実感して、恥ずかしくなって離れた。