奴のとなり
目線をあげると、やっぱり目が合って、そういえば奴がいつか名前を呼んだとき嬉しそうだったのを思い出した。
まさか、2回目がこのタイミングとは・・・。
ちょっと申し訳なくて、すぐに目を逸らした。
『あいつ、今この電話の内容気になって仕方ないんだろうなぁ』
堪えることなく、笑う。
『まぁ、そういうことなんだよ』
「へっ!?」
まさかこれで終わり?
また全然理解できてないんですけど!
やっぱり分からないことだらけで、何が誕生日プレゼントなんだろ。
むっとしてると、ナナミさんの笑い声がまた届く。