奴のとなり
「いらっしゃいませ。もしかして、桜さんですか?」
「えっ!?はい・・・」
「やっぱり!!」
ワンレンの黒髪のお姉さんは一見冷たそうに見えるけど、話すと明るく愉しい人だった。
どうやらお店の人らしく、サツキさんから聞いていたらしい。
「皐月ったら、桜さんが来るまで仕事しないって言い張るもんだから困ってたのよ」
「わぁ・・・。なんか、すみません」
「やだっ、その理由が詰らないものならシバクけど、こんな素敵な理由なら皐月を褒める
わぁー」
後から聞いた話しだけど、あたしが翌日来るかもしれないから予定を空けてくれていたら
しい。
忙しいはずのサツキさん、お見通しって訳だ。
4人で座って話してると、サツキさんが浮き足立って現われた。