奴のとなり



5千円札を放り込んだからだ。



「でぇっ!?」



思わずとんでもない間抜けな声が口を突く。



近くに居た他の人も目を丸くして見てる。



奴は怪訝そうな目であたしを見下ろすと、


「どうした?」


って呟いた。



「だっても、くそも、桃矢くん!?今、ニトベさんがっ」



賽銭箱と財布を交互に指差す。



「あぁ」



「ねっ?間違えたの?結構桃矢くんは天然だったんだね!!あたし見なかったことにできるよ?ケイちゃんにも、ナナミさんにも言わないよ?」



「あ?」



「へ?」



「俺はいつも5千円入れてる。習慣みたいなもんだ」



「そうですか・・・」



「それより・・・」












< 395 / 555 >

この作品をシェア

pagetop