奴のとなり
「こんな時間に誰なんだろ」
日付が変わる少し前。
携帯の画面には“奴”の名が。
さっきまで会ってたのに何なんだろ。
不思議に思って通話ボタンを押す。
「・・・、もしもし」
「・・・俺だけど」
「画面見たから知ってるよ」
暫くの沈黙。
どうしていいか分からなくて手持ち無沙汰。
空いた手が寂しくて、据わっているベッドのカバーを弄る。
用事があるなら早く言って欲しい。
とっても眠たくて、瞼が重い。
もうこのままベッドにダイブして、欲望に身を任せて眠ってしまいたかった。