奴のとなり
「これ・・・」
「あん時渡そうって思ってた」
「あん時?」
「恵んちの前の時」
「あぁ、あの時」
ケイちゃんちの前で二人で居たときだ。
奴は少し困ったような気まずいような表情を浮かべると、少し髪を乱した。
でもそんな素振りは・・・。
ラッピングを解きながら、綺麗な黒い小さな箱を開けるべく触れる。
これってドラマとかじゃ素敵な展開だよね。
って、サクリアンが頭を過ぎって、ないない、頭の中で声が響く。
まさかサクリアンじゃないよね・・・。
嬉しいけど・・・、嬉しいけどね。
ゆっくり開けるのを楽しむ。
中から出てきたのは・・・・・・。