奴のとなり
どうしよう・・・・・・。
これ薬指用?
小指用?
完全にパニックに陥るあたしをいつから見ていたのか、奴は呆れたように溜息を吐き出した。
「聞いてんのか?」
「へっ!?」
「だろうな」
「ごめんなさい」
全く聞いてなくて、素直に謝った。
あんまりにも素直だったから、奴は少し驚いた顔して、それから続ける。
「別に怒ってねぇよ。ただ、それはあれだ」
「それはあれ」
「そうだ、あれだ。小指に着けてるとお前を守るらしい」