奴のとなり



お正月休みってのは案外何もすることが無くて、退屈なもの。



って毎年感じてた。



お母さんは忙しそうに夜から朝にかけて飲み会だし、友達もいなかったから。



でも、変われば変わるもので、あたしは今年多忙きわまりなかった。



桃矢くんちにお泊まりして、起きたのは10時ごろ。
携帯の着信音で目が覚めた。



「はぁい…。もしもし」



『こんな時間まで寝てるとはいい身分なもんだねっ!!』



大きな笑い声と共に、母の声が鼓膜に響いた。



「で、お母さんは今から寝るの?」



『よくわかったね!!今から雑魚寝だよ!!この年でまだ雑魚寝だよっ!!』



「今日だよ?」



『分かってるよ。そのための電話なんだから。今から寝るから夕方に来るといいよ』



「はいはい。おやすみ〜」



母からの電話はそこで切れた。











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