奴のとなり



目が覚めると、あたしはベッドの上で昨日のことを思い出すのに時間がかかった。



「んーっ」



腕や足を延ばして、じっと頭が起きるのを待つ。



「…そういえば、桃矢くんは?」



辺りを見回して気づいた。



部屋の隅に黒い固まり。
猫みたいにうずくまってる。



ベッドを抜け出し、静かに近づいた。



なんでこんな所で?
いつもの桃矢くんなら一緒に寝るって感じがするのに。



「桃矢くん」



声をかけても反応なんてなくて、あたしは静かに部屋を出た。



下に降りると母はソファーで大いびきを海底で、地響きみたいなのを感じる



ちょっと揺すってみたけど、全くダメで、あたしはあきらめて朝食作りをした



もちろん3人分



簡単なものしか作りたくなくて、目玉焼きをトーストに乗せた



その匂いに釣られたのか桃矢くんが手をだらんとさせて、ふらふらと歩いてきた



きっと朝弱い













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