奴のとなり



桃矢くんは隣にいない。



いなくなってから3日が過ぎた。



最初はふとした瞬間に泣きそうになるのを必死で抑え込んで、笑うようにした。



朝、家を出た瞬間。



校庭を眺めてるとき。



携帯。



帰るとき。



その瞬間はいっぱいあって、3日経っても慣れそうになかった。



それと同時に桃矢くんが隣にいたのだと思い知らされた。



期間にしてみれば半年くらい。



でも、親以外に一緒に過ごす人の居なかったあたしなは充分過ぎる程特別な時間だった。



小悪魔さんも心配してるのか、よくお菓子をくれた。



小さい子にそうするみたいに。



「甘いもの食べると落ち着くから」



飴、チョコ、ドーナツ。



様々なものが与えられた。



おかげでちょっと太った。



小悪魔さんが心配してくれてるのは分かってる。



でも、耳にはいるのは止められない。












.
< 452 / 555 >

この作品をシェア

pagetop