奴のとなり



学校に着いてみて、
あたしは長い時間を1人で過ごす。



いつもはグランドで体育する姿だとか、
廊下ですれ違ったりとかってのがあって、
それがないせいだと気づく。



段々言いようのない不安に駆られて、
あたしは教室を抜け出した。



奴に電話してみようか。



あんたがいなくて、
あたし結構寂しいみたい。



そんな恥ずかしいことでも言ってみたら、
奴は笑うだろうか。



なんて馬鹿らしいことを考えながら
静かな廊下を歩いた。



保健室は誰もいなくて、
勝手に寝てようと2つあるベッドの
手前のカーテンを開ける。



勢いよく開けると、
目の前には上半身裸の男。



いや、ケイちゃんが1人。







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