奴のとなり
「もともと華奢なのに、痩せたわね」
頬を撫でる指が冷たくて気持ちいい
「ごはん…食べれなくて」
「女はぽっちゃりぐらいでいいのよ」
「ふふ」
綺麗なガラスみたいな目が優しく三日月になる
「ずっとここにいてくれていいから」
そう言うと、着替えを布団の上に置いて部屋を後にした
何から何まで申し訳なかった
よくよく注意して見てみると、ここはあの美容室の2階らしく、窓の外に看板が見えた
ここに皐月さんは住んでるらしい
シンプルでセンスがきらりと光るような部屋で、置いてくれた服は綾子さんっぽくて綾子さんにも心配かけたってわかる
手早く着替えると、ひやりと背中に何かが走ったかのような感覚
今日は何曜日?!
学校っ?!!
慌ててドアを開けようとすると、目眩が襲う
ぐらっと傾く体を何とか支えて、焦らずにドアを開け階段を下る
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