奴のとなり



携帯も何も持っていなくて、あたしは皐月さんと綾子さんの存在にすっかり安心しきっていた



綾子さんは家があるから、仕事が終わると帰って行った



二人きりになったけど、お姉さんに思ってる皐月さんとだから全然気にならない



むしろ、楽しい



あたしには兄弟姉妹がいなかったから、皐月の存在が嬉しい



自然のむふふってなる



皐月さんは果物を剥きながら、「熱あったんだから」って次々勧めた



次の日お腹がちょっと緩くなるぐらい



あたしは何にも話さなかったのに、皐月さんは何も聞くことなく、家に置いてくれた



ほんとにありがとうって何回言っても足りない



「今日は早めに寝ましょ。お揃いの可愛いパジャマもあるのよ〜」



ピンクのと黄色のを引っ張り出しながら、まるで少女のように微笑みながら皐月さんはどったの色が好き?って聞いてきた



ここに泊まりに来た人は皐月さんとお揃いパジャマって特典があるらしい



こうして、あたしと皐月さんのプチ家族ごっこが始まった












.
< 461 / 555 >

この作品をシェア

pagetop