奴のとなり



「もう店閉めるから、これから外でご飯食べない?」



うっとりするような笑みを浮かべて、グラスに口をつけた



頷くと、やった!と子供のように笑う



店を片付けてから、皐月さんの可愛い車に乗り込み、この車は走り出した



行き先は可愛い民家風のお店で、看板が出てないから、一瞬お店なのか分からなかった



そんなお店



「ここね、隠れ家っぽくてお気に入りなの。誰にも秘密よ」



人差し指を口に当てて、可愛く皐月さんはシーッと口の端を上げた



確かに一見普通の家だから、まさかお店だなんて思わない



皐月さんと一緒に店に入る



ドアを開けるとカラコロ可愛い音がして、それを聞きつけて奥から女の人が現れた



優しそうな笑みを浮かべた、肩までのゆるくかかったパーマが綺麗な女の人



「いらっしゃいませ。まぁ、可愛い子っ!!」



向日葵みたいな人で、あたしもつられて笑顔になる



この人は瑠美さんといって、このお店の主人の奥様だとか



瑠美さんはテーブルへあたしたちを案内すると厨房へと入っていった



厨房は見えるようになっていて、立派なヒゲをたくわえた強面のおじさまがいた



どうやら主人らしい












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