奴のとなり
ずっと胸の中にある気持ちを吐き出す
「皐月さん…何も理由話さないのに置いてくれてありがとう」
皐月さんの視線がこちらを向くのを感じる
「十分甘えてるって分かってるんですけど、もう学校始まるから帰らなきゃなんですけど、もう少しだけ置いてもらえませんか?」
明日から学校
家に帰らなきゃってわかってる
でも学校に行けば必然的に奴の姿、噂があたしを支配して動けなくなる
今限界を感じてたから
逃げ出せるかもしれない環境を見つけたから
迷惑だってわかってても、優しさに甘えたくなる
「何時まででも大歓迎よ。妹が出来たみたいで嬉しいしね」
ふわりと笑うと、青い瞳が輝いた気がした
空色の瞳が優しい
ラジオの音楽が終わり、しゃべりだす
「これで1週間も折り返し!明日も楽しくお届けします!!」
折り返し…
おりかえ…
しぃっっ!!!?
ばっと皐月さんの方を振り返ると、舌を出して、「バレちゃった」と可愛く言った
ええぇぇぇっ!!!
日曜日だと思っていたのに、まさか水曜日なの!?
ってことは、明日から学校だ〜じゃなくて、すでに3日も無断欠席してるってことで…
ええぇぇぇぇっ!!!!!
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