奴のとなり



目が合うと、勢いよくカーテンを閉める。



なんだ・・・、
今の心臓に悪い光景は・・・。



あたしはやたら煩い心臓を落ち着かせようと、
手を胸に当てて深呼吸した。



うん、見なかったことにしよう。



カーテンの中には人はいなかった。



ましてや、裸の人なんていないいない。



ぶつぶつ念仏を唱えるように言っていると、
目の前のカーテンがこれまた勢いよく開いた。



「なんや、覗くだけ覗いて無視かいっ」、
そう頬を膨らませて拗ねている。



やっぱり、ケイちゃんだ。




そしてやっぱり、裸だ。









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